一日のスタート

完全年金生活者となって3年目、もうすぐ71歳。妻は、21年目になるパート勤務をまだ続けたいとゆうので、車で朝・夕は送り迎え、買い物への同行が一日の柱になっている。(現役時代苦労をかけた妻への罪滅ぼしでもある)

この3年はコロナ渦である。旅行も天文館も、気の置けない仲間たちともあえず、家飲みオンリーのなんとも味気ない日々である。

最近特にポッコリお腹の体形と体調が気になり、朝5時に起床、5時30分から小一時間ほど自宅近くの谷山緑地を歩くことにした。8月に入り、妻から「もう一か月は過ぎたね~、瘦せたんじゃな~い?!」と茶化され「そんなに簡単じゃねーよ」言い返しはしたが、内心期待もあるので体重計に乗り真実を知るのが怖い。

朝早く起き、玄関前で少々準備運動をおこない、スタートする。

まだ、陽が照らない時間帯なので歩くには心地良い。

じつは一か月以上続いているのには訳がある。

この時間の産業道路沿いの緑地公園では、自分の知らない様々な人と出会う。

それが楽しい。

もくもくとランニングする初老の男性。サスペンダー姿でステッキをつき散歩している老人。ご近所同士なのか世間話をしながら歩いているおばちゃんの二人づれ。そして、たまにすれ違う気になる女性ランナー…これもこれでいい。ベンチでスクラッチをしている男性等々。それぞれの人物像をあれこれ想像し、今日も会えるかなと思いながらセミの声に押され歩く。

そして、顔を見合わせたすれちがいざまに「おはようございます」と挨拶し合うと、認められたようでさわやかな気分になる。しかし、コロナを気にしてか目礼の人や、無視する人も多い。今日の挨拶7人中3人!か。いつも無視の人は明日も無理かな~と思いつつ歩く。

汗びっしょりになり、帰宅後、シャワーを浴び、冷房の利いた極楽部屋で朝食。(便利になったもんだ)。そしてまた、今日一日が始まっていく。

鹿児島市 室屋修一